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第八話「無限に至る因縁」

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Episode 8 “The business makes the public unhappy”


2014年6月末に開かれた 招待制イベントでのトーク記事 がある。要所を引用する。

小野:せっかくなので中国ネタからですね。「サンシャイン牧場」って知ってる方どのくらいいますか?

(会場の数名が挙手)

嬉しいですね、ありがとうございます。知らない方はお帰りいただく、わけではなくてですね(笑)、今はもうTVでいろんなスマホのゲームだとか、ソーシャルゲームだとかって言われていますけども、このサービスは日本で1番に火付け役になった原点ですね

かつて華やかだったmixiのソーシャルゲーム。GREEよりもDeNAよりも先にmixiが1番最初に立ち上げたときに、3カ月で一気に300万人くらい、で600万人くらいを、1年弱で集めたんですね。

小野:この会社はですね、日本の会社ではなくて、北京にあるRekoo(レクー)という会社、田中が見つけてきて投資をしたんですが、最初のきっかけは、日本ではまだ誰もソーシャルゲームなんてやっていない中で、中国でめちゃくちゃ流行ってるというところからスタートでしたね。

田中:日本ではまだブームが来てないけど中国では数100万単位でこういうゲームをやってるっていうのが事実で。さっき小野が言いましたように、mixiがソーシャルゲームのプラットフォーム始めるっていう話を嗅ぎつけたので、いち早くそのネタを日本にもってきたっていうのが、この事例です。

小野:この会社はmixiのソーシャルゲームのオープン化、ソーシャルゲームをスタートしますよっていうタイミングで来て、いち早く成功したんですけども、この会社がどのように日本でも立ち上がったかっていう話をしたいと思います。

小野:ちょっとエピソードがおもしろくてですね、当然中国にはすでに会社があって、そこに我々実際に投資もしたんですが、日本展開をしたいと。mixiが始めるってことで、日本展開をしたいと。でも、日本にはまだ何にもなかったんですね。まず、我々何をしたかというと、とりあえず会社を作りましたね。

田中:登記して。

小野:とりあえず登記をしようと。Rekoo Japanという名前にしようと。でも、社長がいないと。とりあえず小野さんが前に経営をやっていたので、「小野さん、社長やってくださいよ」そんなスタートだったんですね。

(中略)

小野:はい。そんなふうにしてても、今の日本のソーシャルゲームの火付け役になるような会社が出来上がったんですね。

原点と火付け役

彼等は目的に応じて主に3つの名前を使い分けている。

  • インフィニティ・ベンチャーズ LLP …… 有限責任事業組合という形態の法人格のない団体。主な事業はベンチャーキャピタル。
  • Infunity Ventures Summit (IVS) …… 同名の招待制のイベントを開催する団体。インターネット, モバイル, ソフトウェア関連の IT 業界の経営者, 経営幹部が対象の年2回開催。
  • Infinity Venture Partners (IVP) …… 他の投資者と共同で投資ファンドを形成する際の事業体。細かくは IVP Fund I, IVP Fund II, IVP Fund III, IVP Fund IV と形成の都度の名前が付いている。前話で登場した「分播時代」への150万ドルの投資元にあたる。

なお、同系列は2021年5月10日に協力関係にあった欧米のベンチャーキャピタルと ブランド再編 して Headline Asia, Headline Japan 等と名称変更している。

引用は言わば彼等の、選りすぐりのエリートを集めた場での話である。

時代が時代だけに、彼等が引き金を引かなくても、あるいは劉勇自らの意思によって、同じような歴史を辿っていた可能性は高い。しかし、現実として引き金を引き、そして引用のように語ったのは彼等自身である。

宜しい。9年ほど昔の話ではあるが、そうであるならば現在の「盛遊時代」と「Restar Games 株式会社」は、彼等が目を付けた「分播時代」と設立した「Rekoo Japan 株式会社」の直系の子孫かつ分身であり、日本でのソーシャルゲームの祖だ。

彼等にとって Rekoo は特別かもしれない。当時、日本展開のサポートや IVP Fund 出資者でもあるミクシィとの関係強化等々を進めたのは、表向きの IVP Fund の第一号案件 より早い時期だっただろう。投資先の事業のために日本法人を設立した案件としても初めてだっただろう。

成功例

Headline Asia への ブランド再編時の挨拶 に大きく紹介されている彼等の成功例の一つが「グルーポン・ジャパン」である。

 

グルーポン・ジャパン

おせち事件で有名な共同購入クーポン業者である。Wikipedia の グルーポン・ジャパン, MIXI, パクレゼルヴ などの周辺情報をまとめると次の通り。

  • 2010年6月 前身のクーポッド株式会社がインフィニティ・ベンチャーズ LLP とパクレゼルヴ (廣田朋也, 元光通信) の共同で設立される
  • 2010年7月 ミクシィを含む IVP Fund から投資を受ける
  • 2010年?月 当時のミクシィのフロア内へ所在地変更
  • 2010年8月 米GROUPON社がクーポッドを買収
  • 2010年10月 グルーポンジャパン株式会社に名称変更し、住友不動産渋谷ファーストタワーに所在地変更
  • 2011年1月 おせち事件を起こす
  • 2011年4月 ミクシィが住友不動産渋谷ファーストタワーに所在地変更
  • 2020年9月 日本からの撤退を発表
  • 2021年6月 解散

なるほど投資家としては、社会に大きな影響を及ぼして名を上げ、よく儲けられた成功例なのかもしれない。世の中にはそういう人達も多少は必要だ。

しかし彼等の投資先は、社会を混乱させ、自ら招いた評判でクーポン業界全体を衰退させ、共同購入による値引き制度を日本に定着させることは出来なかった。

舞台と役者

途切れてしまった物語に新たなページを加える際には、当時のキャストや当時の筋書きをよく考慮すべきである。

残念なことに、当時のことが「前世」のことになってしまった人物もいる。ふむ…。因縁の結末を自身で書き換える役という追加の選択肢も考えていたのだけど、その機会は永遠に失われてしまったのかもしれない。記事から伺える人間性に変化が感じられなくとも、坊主をつかまえて「前世」の行いについて……文字通り因縁を付けるわけにはいくまい。

仕方がないことは、それはそれで好都合な面もあるかもしれない、と前向きに捉える他にない。より可能性の高いプランの脇を固めるとしよう。


第九話「迷走社交遊戯場」

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